子育て中の皆さま。
お子さんは、野菜をしっかり食べてくれていますか?
出産を経て、生後半年ごろからは試行錯誤しながらの離乳食がスタート。
ネットなどでレシピを調べながら調理した離乳食を、美味しそうに食べる我が子を見て思わず嬉し涙……。
しかし、3・4歳になってふと、
「あれ?ひょっとしてうちの子って野菜嫌い?」
「前は美味しそうに食べていたのに、最近野菜を残すことが増えたな……」
と、我が子に異変が起きていませんか?
ビタミンやミネラル、食物繊維など、健康な体と成長には必要不可欠な野菜。
食べてくれないまま月日が経つと、
「成長に影響しないかしら?」
「病気にならないかしら?」
「野菜嫌いのまま大人になってしまったらどうしよう?」
と不安になってしまいますよね。
やはり、子供には野菜好きであってもらいたいのが親の本音です。
それでは子供が野菜嫌いになってしまったら、親としてどうすればいいのでしょうか?
目次
子供の野菜嫌いは全体の約6割!?
実際に子供の野菜嫌いはどのくらいの比率で発生しているのでしょうか?
野菜ジュースなどの大手食品メーカー『カゴメ』の公式調査報告書によると、日本の子供の約6割に「野菜の好き嫌い」が生じていると発表されています。
さらに子供が野菜を嫌いになるまでに、母親の野菜の嗜好が少なからず何らかの影響を与えているとまで言われています。
そうなると、親としてはますます放っておくわけにはいかない問題ですね。
では、どのような野菜が子供から好かれ、どのような野菜が苦手とされているのか?
克服を目指す上での参考となるので、ぜひ知っておきましょう。
【好きな野菜ランキング】
1位 | トウモロコシ |
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2位 | じゃがいも |
3位 | 枝豆 |
【食べてくれない野菜ランキング】
1位 | なす |
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2位 | ピーマン・しいたけ |
3位 | 水菜 |
好きな野菜は「甘みの強いもの」が多く見られ、逆に食べてくれない野菜には「独特な歯ざわりのもの・苦味のあるもの」が多く見られます。
なぜ多くの子供が野菜嫌いになってしまう?
そもそも、なぜ多くの子供が野菜を嫌いになってしまうのでしょうか?
子供が野菜嫌いになるまでの過程には、きちんとした理由があります。
味の基本となる要素は「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つ。
そのうちの甘味・塩味・うま味は、食べやすいことから子供も好きな味ですよね。
しかし、酸味と苦味は本来であれば腐敗物や毒物の味であるため、子供は本能的に避けたいと感じます。
野菜にはもともと独特の苦味や酸味、渋みなどがあるのが特徴。
そのため、味覚が原因となって必然的に嫌いになってしまう子供が多いのです。
幼児期ならではの味覚の敏感な働きも、野菜嫌いに関係していることがわかります。
そんな原因を知ると、今まで以上に子供に寄り添い、親子で野菜克服を目指すことができます。
では、実際にどのような方法が子供の野菜克服につながるのでしょうか?
子供が「野菜嫌い」にならないための対策
- 野菜にこだわる
- 調理を工夫する
- 野菜の栽培を経験させてあげる
- 一緒に調理してみる
- 料理教室に通ってみる
野菜にこだわる
ここ最近、日本でも「オーガニック食品」が人気を集めていますよね。もちろん野菜にも「オーガニック野菜」があります。
肥料や農薬に気をつけながら栽培された野菜類は、素材そのものの味がしっかりとしていて、まるでフルーツのような感覚で食べられるものも多くあります。
味覚が敏感な子供には、美味しい野菜を選んであげることも大切なポイントです。
「美味しい野菜は、シンプルに塩茹でするだけでもパクパク食べてくれる」との声も。
話題の宅配サービスである「オイシックス」や「らでぃっしゅぼーや」などもオーガニック野菜がメインなので、利用してみるのも手段のひとつです。
調理を工夫する
子供が野菜を嫌う理由は、味覚や触感が主な原因です。
そうなると、「調理でいかに美味しくできるか?」も重要となってきます。
硬い生野菜やゴロゴロと大きい角切り野菜は、子供には食べにくいもの。
調理する際は一口サイズに刻んだり、サラダではなく温野菜にしてみたり……ちょっとした工夫も克服の第一歩に繋がります。
ちなみに「せいろ蒸し」は野菜が柔らかく甘くなるため食べやすく、さらに野菜の栄養価も損なわないので一部のママに支持されています。
イモ類やかぼちゃ、ゴボウやニンジンも、とても食べやすくおいしい温野菜になります。
また、見た目で野菜を嫌がる子供には、ミキサーを使った野菜ポタージュやジュース、味がしっかりしていてのど越しの良いカレーやミートソースに混ぜ込んでしまう方法も、効果があるでしょう。
子供の野菜嫌いを克服させる調理方法は、以下のランキングを参考にしてみてください。
【工夫したレシピでの成功率ランキング】
1位 | カレー |
---|---|
2位 | ハンバーグ |
3位 | トマトソース・ミートソース |
野菜の栽培を経験させてあげる
普段、当たり前に食卓に並んでいる野菜。その光景が当たり前だと思いがちですが、人が手をかけ、少しずつ根や葉をのばして育っていく野菜。
そんな野菜の成長を子供自身の目で見たり、育てることを経験させてあげるのも、野菜克服につながる一歩となります。
最近はマンション住まいの世帯が多いですが、ベランダ菜園の小さなプランターで育てられる野菜もたくさんあります。
トマト大嫌いの2歳の子どもが、屋上庭園で育てたプチトマトを自分でもいでそのまま食べて「おいしい!」と絶叫した例もあります。
甘くてフルーツのようなプチトマトしか食べられないという子が増えていますが、こういったワイルドで楽しい経験が、味覚の記憶を塗り替えてくれることもあるでしょう。
【おすすめのベランダ菜園野菜】
- かぶ・ラディッシュ…生育期間が短くておすすめ
- ミニにんじん…根が小さく育つ
- ミニトマト…目で感じられる成長や、真っ赤な見た目が興味をそそる
「自宅での菜園はちょっとハードルが高いなぁ……」
という場合は、幼稚園や保育園での野菜栽培や野菜の収穫体験がチャンスです。
園での体験を子供とたくさん共有し、持ち帰った野菜を楽しく調理してみましょう。
一緒に調理してみる
3・4・5歳の子供は、お母さんの真似が大好きな年頃。
だからこそ、いつもキッチンで料理しているお母さんの姿をよく観察しています。
せっかくなので時間を見つけて、親子で野菜を使った調理を楽しんでみましょう。
包丁などは難しい場合もありますが、けがをしにくい子ども用包丁も手に入ります。
野菜を洗う・ちぎる・盛り付ける……小さいながらもできることはたくさんあります。
ここでのポイントは、始めから苦手な野菜は選ばないこと。
子供の好きな野菜や、人気のある甘み野菜などからスタートし、調理と食事の両方を楽しめるよう誘導してあげることが大切です。
料理教室に通ってみる
調理で工夫を、一緒に調理を……と言われても、なかなかできない方もいると思います。
また、「料理は得意・好きだけど、子供向けの料理や味付けなどがイマイチわからない」という方もいるかと思います。
料理教室では、カレー粉やチーズ、ケチャップ、マヨネーズなどの子供が食べやすい調味料を使ったレシピが多く採用されています。
子供向けにアレンジできるテクニックを教われるので、とてもオススメです。
大手クッキングスタジオでは、親子料理教室も開催されています。
広々とした空間で、先生に教わりながら親子で料理を経験できれば、楽しく野菜克服を目指せそるでしょう。
野菜嫌い克服を目指すときの心構え
- 親子で楽しみながら、野菜嫌いと向き合う
- その都度、笑顔で褒める
親子で楽しみながら、野菜嫌いと向き合う
我が子が野菜を嫌い食べくれないとなると、親としては必死に改善を試みようと頑張りがち。
しかし、闇雲に
「野菜を食べないならお菓子はお預けよ」
「ちゃんと野菜を食べないと大きくなれないわよ」
などと脅しを使っても、子供は野菜嫌いを克服することはできません。
むしろ逆効果の場合もあります。
「無理やり食べさせようとしない。食べたい気持ちになるには?」
まずはこのことを念頭に置いて子供の野菜嫌いと向き合ってみましょう。
子供へ野菜をすすめる際も
「このお野菜を食べるとかけっこが速くなって、もっとカッコ良くなるよ!」
「このお野菜は髪をサラサラにしてくれるから、ますます可愛くなれるね!」
など、子供に伝わりやすい表現で話してあげることも効果的です。
いろいろな方法をお母さん本人も楽しみながら挑戦してみてください。
その都度、笑顔で褒める
苦手な野菜を子供が口にできた時、その時は笑顔でたくさん褒めてあげましょう。
ありふれたことですが、やはりとても大切なことです。
子供は褒められることが大好きです。そして褒めてもらえたことは、その子にとって大きな “自信”に繋がります。
我が子の食べやすそうな野菜・調理法からスタートし、徐々に食べられるレパートリーを増やしてあげましょう。
子供の野菜嫌い克服に焦りは禁物
親の焦りや陰謀(?)を、子どもは鋭く感じ取ります。
「ナスが嫌い? 水菜が嫌い? そんなの食べなくても問題ないわよ」
と、おおらかな気持ちで好き嫌いを認めてあげることも時には効果的です。
そして野菜は嫌いでも海苔が好きな子は多いものです。
野菜の代わりに果物や海苔で代替できる栄養素も多くあります。
ご家庭に合った無理のない方法で、「野菜嫌いの克服」を目指してみてくださいね。