進学・進級のシーズンを迎えるタイミングや、新生活が始まってしばらくたつと
「部活の連絡にスマホが必要で」
「○○君がスマホを持っているから自分もほしい」
「周りのみんなが持っているからスマホがほしい」
このように子どもから言われ、「スマートフォンを持たせるべきかどうか?」と迷う方も多いと思います。
スマホは便利な反面、LINEによる既読無視のいじめやツイッターを利用した悪質極まる犯罪がニュースで流れます。
他にどんな弊害があるのか……と考えると、親としては多くの不安がありますよね。
そこで、
- スマートフォンはいつから持たせるのがいいのか?
- スマートフォンのメリットや問題点は何があるのか?
- 親としてスマホを持たせる場合に、チェックすべき点や対策は何があるのか?
などについて、まとめていきます。
スマホはいつから持たせるのがいいの?
いつ頃から子どもにスマホを持たせるべきなのでしょうか?
親の考えや学校の規則にもよるところが大きいと思いますが、『TONE MOBILE』のブログ「子供に携帯・スマホはいつから持たせるべき? 200人の親に聞きました」によると、
- 高校1年生:38%
- 中学1年生:29%
このように、中学校そして高校に進学したタイミングで、スマホを持たせるつもりでいる親の割合が7割弱を占めています。
高校生になると、10人に8人はスマホを所有している、という調査結果まであるくらいです。
親によっては、防犯対策や塾通いのために、小学生から持たせている方もいらっしゃいます。
スマホを持たせるメリット
ニュースを見ていますと、スマホによる犯罪やいじめがよく取り上げられます。
では、スマホを持たせるのは悪いことなのか、といったら悪いことだけではありません。
スマホを持たせるメリットを紹介していきます。
- GPS機能により位置情報が把握できる
- 連絡がいつでもできる
- 社会に出てからの教育として使える
- 社会に出てからの教育として使える
GPS機能により位置情報が把握できる
スマホに搭載されているGPS機能は、防犯対策になります。
現在どこにいるのか、GPSがあればすぐに位置情報を把握できます。
スマホのアプリによっては、家族が現在いる位置をグーグルマップに表示する機能があります。
もし、いつもと違う場所にいることがわかったら、連絡をすることもできます。
また、防犯対策だけでなく、災害や事故があったときにも役立ちます。
直接連絡ができなくても、GPSにより居場所を確認することもできるからです。
スマホアプリの一例として、「Life360」があります。
iphoneであれば「アイフォンを探す」という機能が手軽です。
連絡がいつでもできる
スマホの大きなメリットとしては、いつでも連絡ができることです。
電話だけに限らず、LINEやスカイプといったメッセージアプリを通して連絡もできます。
使い方としては、
- 共働きで帰りが遅くなるなど連絡をしたい場合
- 子どもの塾通いの連絡手段に使いたい場合
- 外出している子どもに買い物や頼み事をしたい場合
- 広い場所で居場所や待ち合わせ場所を確認したい場合
このようなことに使えます。
いつでもどこでも連絡できることから、子どもの自立の過程では利便性を発揮します。
社会に出てからの教育として使える
今、中学生や高校生の子いたとして、その子供たちが社会人になる頃にはスマホの環境も大きく変わっているでしょう。
今では考えられないスマホアプリや技術も出ているはずです。
高校生になると10人に8人は、スマホを使用しています。
そうなると社会人になる上でスマホを使えるのが当たり前の状況に。
就活でエントリーシートを送るのは、スマホアプリからでないとできない、ということも起こるかもしれません。
社会勉強のため、社会に乗り遅れないために、スマホを持たせるという考えもあります。
勉強や資格試験に使える
英単語や英文の翻訳なら、翻訳アプリを使うことができます。
また、正しい英単語の発音もスマホなら簡単に確認できます。
他にも資格試験に役立つアプリもたくさんあります。
TOEICやファイナンシャルプランナー、簿記をはじめさまざまあります。
電車の移動中でも、スマホがあれば試験勉強を効率的に行うこともできます。
必然的に自分で必要な情報を調べる検索能力がアップするでしょう。
スマホを持たせる課題や問題点
先に説明したようにスマホは便利な反面、課題や問題点もたくさんあります。
とくに親であるあなたが、それらの点を知っておくことが大切です。
- いじめに巻き込まれたり、健康を損ねるおそれがある
- 事故や犯罪に巻き込まれるおそれがある
- 個人情報が特定されることがある
- PCが使えなくなる
- コミュニケーション能力の欠如
- スマホ依存による疲労やストレスを引き起こす
いじめに巻き込まれたり、健康を損ねるおそれがある
LINEなどのSNSでメッセージを送っても、既読無視されるといういじめがあります。
とくに感受性豊かで、他人の目を気にする中学生や高校生にとっては辛いいじめです。
無視されないためにも、返信をしなければいけないなど、結果としてスマホ依存することにもつながります。
最近では中高生の間でもスマホ依存が問題になってきています。
スマホ依存は病気です。多感な時期に健全な心や健康を損なってしまっては大変です。
事故や犯罪に巻き込まれるおそれがある
ラインやツイッターなどのSNSを通して、見知らぬ人や実際つながりがない人と出会って、事故や犯罪に巻き込まれるおそれがあります。年齢や性別を偽装して、同世代の女の子だと信じ込ませ、実際に会えたらあの手この手で子供に犯罪を繰り返す輩が少なくありません。
実際にニュースでも取り上げられる多くはこのケースです。
個人情報が特定されることがある
何気ない風景の写真から、住所を特定されるおそれがあります。
スマホアプリを通して写真を撮ると、GPSと連動して位置情報が付加される機能があります。
自分のスマホのセキュリティがどうなっているかということまで、子供は意識が向きません。
いくら顔を隠しても、着ている制服や背景から、個人情報や居場所を特定されることもあります。
とくにSNSを使って写真を多くの人とシェアする場合には注意が必要です。
そして仮に誤送してしまった画像などを拡散された場合、回収することはできません。
PCが使えなくなる
意外かもしれませんが、スマホを使えるけどパソコンが使えない若い方も多くなっています。
つまり、それだけスマホがあれば、パソコンは不要な時代にもなっています。
結果として社会に出ても仕事でパソコンが使えず、業務に影響が出ることも実際にあります。
コミュニケーション能力の欠如
本来は目を見て話さないと伝わらないような大切な話をスマホのSNSを通してでないと、話せない方も多くいます。
そして言葉も使わず「スタンプ」や略語のみで会話を済ませたり、スマホのやり取りに忙しすぎる子どもたちの脳や心が心配になります。
また、人と話をしている時にも、スマホを見ながら話すという場面も見かけますよね。
本人にとって悪気はない、無意識にやっていることでも、人とのコミュニケーションに影響が出ます。
スマホ依存による疲労やストレスを引き起こす
- スマホをいつも持っていないと不安になる。
- メッセージが来たらすぐに返信しないといけないという強迫観念に陥る。
- ついつい夢中になって夜更かしして睡眠不足になる。
このような“スマホ依存”になるおそれがあります。
「夜やらずに朝起きてやりなさい」と言われた子どもが、夜中の2時や3時に起きてスマホをいじっていたというケースもあります。
スマホを見ながら自転車に乗り、通行人をケガさせて最悪死亡させるケースも起きています。
また、スマホの使いすぎによる目の疲れや腱鞘炎、首が常に下を向くことで、ストレートネックになるなど、
健康被害を引き起こす原因にもなります。
強い電磁波の影響も懸念され、慢性的な疲労を引き起こす可能性があります。
子どもがスマホやタブレットを欲しがったときにチェックする5つのこと
子どもがスマホを正しく活用し、犯罪などに巻き込まれないようにするために、
以下の5つをチェックや対応を行いましょう。
フィルタリングソフトを使う
ネット上には、子どもにとってふさわしくない情報やサイトがたくさんあります。
そこで、専用のフィルタリングソフトを使い、閲覧制限を使うようにしましょう。
セキュリティーソフトには、年齢による閲覧制限をつける、または不適切なサイトにはアクセスできない仕組みがあります。
もちろん、ソフトの費用はかかりますが、万が一のことを考えれば必要経費です。
使用できる時間を設定する
スマホを使い始めると、どうしても夢中になってしまいます。
そこで、先ほどのフィルタリングソフトなどを活用することで、使用できる時間を設定できます。
結果的に、夜更かしによる睡眠不足や体調不良を予防することができます。
使用場所やルールを子どもと相談して決める
学校や自分の部屋で使用しないなど、使用場所を決めることも重要です。
自分の部屋で使用すると、どうしても勉強や睡眠の妨げになることもあるからです。
また、食事中はスマホの電源をオフにする、SNSで知り合った人と会ってはいけないなど、使用方法のルールも決めておきましょう。
そして「それはなぜなのか」ということを一緒に考えてみましょう。
親が「~~だから~~すべきでない」と言うのは簡単ですが、子どもが「自分で考えて決めたこと」であれば、反抗期の子でもルールを守る気持ちが強まります。
困ったことがあった場合に相談できるようにする
特に反抗期の中学生や高校生は、親と話すことにどうしても抵抗があります。
それでも困ったことがあった場合には、相談できるようにしておきましょう。
管理をしたいという思いだけではなく、「あなたのことが何よりも大切だから」という心がけが大切です。
また、スマホを持ち始めてから様子がおかしいと感じたら、早めに声をかけることも重要です。
早期発見・早期対応していきましょう。
親も節度を持って使う
ここまで子どものことばかり書いてきましたが、親もスマホを正しく使っているかを確認する良い機会です。
子どもにはルールを押し付けて、親がずっとスマホを触り続けている、歩きスマホしている……これでは説得力がないですよね。
親自身が節度を持って正しく使っているのか?
この点を改めて振り返ることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
高校生になると10人に8人は使用しているため、いずれスマホを持つことになります。
また、何かあったときのためにも、スマホを使えることは今後必要になります。
プライベートだけではなく、仕事においてもスマホは必須アイテムになることは間違いありません。
とはいっても、スマホを使ったいじめや犯罪があるのも事実。
だからこそ、子どもにスマホを持たせる前に、
- フィルタリングソフトを使う
- 使用できる時間を設定する
- 使用場所やルールを子どもと相談して決める
- 困ったことがあった場合に相談できるようにする
- 親も節度を持って使う
などの対策をとったりルールを決めて、子どもが安全に、健全に、スマホを使えるように気を付けていましょうね。