皆さんは「お手伝い」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
- 義務。
- 面倒くさい。
- 楽しい。
- 認められたい。
いろいろなイメージがあると思います。
ある日、ママ友の口から出た言葉にドキッとしました。
「小さいころ、お手伝いが嫌いでした。食器の片づけや洗濯物干し、10歳の子どもには簡単な作業でしたが、忙しい母はいつも私を叱ってばかり。ほめられないお手伝いに、いつしか嫌気がさすようになりました」
これからの時代は“共働き”が当たり前です。
家電の進歩で、家事はずいぶんと楽になったとはいえ、生きていくためのスキルとして、
「男の子も女の子も家事・料理・掃除を一通りできるようになってほしい」
と思っている親御さんも少なくないでしょう。
そのためにも、小さい頃からお手伝い好きにさせてあげたいと思いますよね。
上記ママ友の記憶の中にいるお母さんと同じように接していたら、子どもはお手伝いを嫌がるようになってしまいます。
そこで、子どもをお手伝い好きにするために、どんなことが大切なのかまとめてみました。
目次
お手伝いを好きにさせるコツとは?
- ちいさなことから、やらせてあげる
- お手伝いを「罰」にしない
- お手伝いは親の余裕があるときに
- 遊びの中にお手伝いのチャンスをみつける
- 「お手伝いの日」「何もしない日」を作る
- 口を出さずに見守る
- お手伝いをしたら、思いっきりほめる
ちいさなことから、やらせてあげる
子どもは、小さい時ほど好奇心が旺盛です。
魔の2歳児という言葉がありますが、2歳の頃は「自分でやりたい!」という好奇心がぐんぐん芽生えてくる時期です。
「やりたい」「自分でできる」「でもできない」の狭間で本人は葛藤して泣き叫ぶため、親にとっては頭の痛い時期でもあります。
いかに子供が泣きわめかないようにしようか?
なんて、ついつい考えが行きがちですが、2歳児でも達成できそうなことからチャレンジさせてあげるのも、一つの手です。
- ジュースにストローを自分でさしたい!
- 水道の蛇口を自分でひねりたい!
- 家の鍵は自分で開けたい!
ひとつひとつは日常の小さなこと。もちろん、親の手助けや後始末が必要かもしれません。
しかし、自分でできた時の笑顔は格別です。
その小さな成功が好奇心を満たして、自信を育み、「お手伝いが好き」という土台につながるのです。
お手伝いを「罰」にしない
子どもが少し大きくなると、叱る際の取引条件に「お手伝い」を利用してしまうことがあります。
- 「お手伝いしてくれたらジュースあげようかな?」
- 「お部屋を片付けないならママも○○ちゃんのお手伝いしないからね」
- 「○○しない罰として、お皿洗いを1週間しなさい」
子どもは、親に言われたことですから渋々従うでしょう。
しかし、これを繰り返すうちに子どもの中では「お手伝い=嫌なもの、無理にするもの」と刷り込まれていきます。
10代に入り、自分の身の回りのことをしたり、お手伝いの戦力となる頃には、すっかりお手伝い嫌いになってしまうかもしれません。
本来のお手伝いは、家族みんなが気持ちよく暮らすために協力し合うことです。
- おいしい料理が作れる
- お風呂場をピカピカに掃除できる
- ベッドのシーツをパリッと気持ちよく干せる
- 雨が降りそうなら洗濯物を取り込む
お手伝いは、周りの人たちと気持ちよく生きていくためのスキルでもあります。
「罰」になるような嫌なものではありません。
その刷り込みをついついしてしまわないよう、親として気をつけていきたいですね。
お手伝いは親の余裕があるときに
子どもが小さいうちは、お手伝いといっても手伝いになっていないことがよくあります。
「食器を洗う!」と子どもは意気揚々と取り組んでも、床も服も水でびしゃびしゃ。
食器に泡が残っている、注意するとすねる、等々……。
小学校低学年ぐらいまでの間は、お手伝いを完結させるのに親のサポートが必要です。
そこで、お手伝いがうまくいかないうちは、親がサポートする余裕があるときに頼みましょう。
また、子どもが疲れていない休日の午前中は恰好のチャンスです。
平日の朝などの忙しい時にキッチンに乱入されて親もイライラすることがないように、お手伝いのタイミングは上手に工夫したいところです。
遊びの中にお手伝いのチャンスをみつける
子どもが小さい時期は、遊びを通じてお手伝いの楽しさを学ぶのもよい方法です。
遊んだ後のお片付けを指導されるのは、保育園や幼稚園でもよく見る光景ですが、遊ぶ「準備」にもお手伝いのチャンスは隠れています。
「お絵かきをするから棚にある色鉛筆を持ってきてくれる?」
「粘土遊びに使う道具を一緒に取りに行こう」
「のりを使うからお絞りを用意できるかな?」
小さなことですが、2~4歳ぐらいの子どもたちの「やりたい!」を満たすにはとてもよい機会です。
同様に、お皿を洗うことはまだ難しくても「おやつをテーブルに運んでもらう」といった簡単な配膳も小さな子どものお手伝いチャンスになります。
「お手伝いの日」「何もしない日」を作る
子どもが小学校高学年になり少し大きくなったら、ルーティンのお手伝いを決めてみましょう。
たとえば、
- 水曜日は家の床拭きをやる
- 木曜日の夕飯は子どもが一品作るのを担当する
- 日曜日の洗濯物は子どもが干す
といった感じです。
子どもの担当を作ることで、仕事に対する責任を覚えるのにも役立ちます。
お手伝いの日を作ると同時に、何もしない日を設けるのもおすすめです。
たとえば仕事と学校で家族全員が疲れている金曜日の夜に……
- 月に1度は外食する
- 金曜日の夜は各自で好きなものを用意して食べる
- お片付けは土曜にまわす
など自由な日を作ります。
ルールばかりの毎日では、子どもも親も疲れます。
たまには息抜きの日を作れば、また明日への活力が湧いてきます。
口を出さずに見守る
お手伝いする子どもの手つきについつい何か言いたくなってしまうものですが、意欲をもって取り組んでいることに横から口を出されるのは、大人でもいい気分はしませんよね。
3つに2つは我慢して、お手伝いが完了するのを見守りましょう。
また、包丁や火を使うお手伝いは、親が危なくないようにしっかりと監視します。
はじめは誰しも上手にできないもの。
洗濯物のしまい方がぐちゃぐちゃだったり、洗ったお皿に食べ残しがついていても、子どもが3~4歳くらいまでの間は「ありがとう!」と笑顔で終えることが次につながります。
お手伝いをしたら、思いっきりほめる
お手伝いが当たり前になると、ついつい忘れてしまうのがほめること。
最初のうちは盛大にほめていても、子どもが大きくなるにつれ何も言わなくなる、ということでは子どものモチベーションも上がりません。
日々家事をしておいしい料理を作っても、家族からのコメントが何もないむなしさは、母親のほうが容易に想像できるはずです。
子どもがお手伝いをしたら「笑顔でほめる」。
これを忘れなければ、子どももきっと笑顔で返してくれるはずです。
そして「もっとたくさんやろう」「もっとうまくやろう」と意欲的になるでしょう。
まとめ
子どもがお手伝いする姿に、日々成長を感じることができます。
子どもが「お手伝いしたい!」とやってきても、ママにとっては余裕がなくて「今日はいいからテレビでも見てて~」と追い返してしまう、そんな日もあります。
けれど、子どもの成長を見るのは、親にとって最大の喜びでしょう。
- 子どもが自分で割った卵で焼いた目玉焼きを食べる
- 小さかった我が子が、高いところに手が届くようになる
- 重い洗濯かごを一人で運ぶようになる
子どもがお手伝いできるように工夫したり、少しずつ教えるのは本当に大変です。
しかし、お手伝いができた時の誇らしげな顔に、お手伝いを通して子どもが体験しているものの大きさを感じられます。
その意味では、お手伝いは子供のためだけではなく、親の楽しみなのかもしれません。