妊娠中は嬉々として子どもの衣服や身の回りの物を買いそろえましたよね。
それから何年か経ち、増え続ける子ども用品、おもちゃ、絵本などに頭を悩ませているママも多いと思います。
自分の持ち物の”断捨離”はある程度できても、子どものものになるとうまくできないという話もよく耳にします。
自分のものであれば、「一定期間使っていない」「ときめくかどうか」と、方針さえ決まれば進む人でも、ただ単に断捨離することが教育上悪影響になりはしないかという躊躇があったり、指針があいまいなため進められないのです。
しかしモンテッソーリ教育に出逢い、やはりこのままではいけないと確信。
モンテッソーリの資格保持者にアドバイスをいただきながら、”賢い子”になるお部屋づくりを敢行しました。
その方法をご紹介します。
目次
自宅でこんな症状ありませんか?
自立を促すモンテッソーリでは、1歳でも2歳でも自分のことを自分でやろうとする思いを大切にします。
大人が子どもに寄り添い、適切な働きかけをすることで子どもは自信を持って自立していけると考えます。
まず、自宅で以下のような症状はありませんか?
- 子どもが自分で遊べない、片づけられない
- 何がどこにあるのか子どもも親もわからない
- 子どもが頻繁に「あれはどこ?」と探し回っている
- 子どもの友達を呼んだら最後、家の中がカオスになりそう
こんな時は断捨離のタイミングです。
上記のような症状があれば、子どもの年齢にかかわらず断捨離していきましょう。
まず、おもちゃを整理できない、その理由は何でしょうか?
必要不必要の判断がつかない
- 「もういらないのでは?」とこちらが思っているおもちゃでまた急に遊びだす
- 本人に聞くとすべて「いる」と答える
- 増え続ける通信教育の教材や知育玩具を使いこなせていなく、もったいない
思い入れや思い出に囚われている
- 祖父母や友人にいただいたもので思いが詰まっていて処分できない
- 我が子がベビーだった頃を思い出す
このような理由が考えられます。しかし、当の子どもが困っていては元の木阿弥。
ここは冷静に判断をし、親も子も快適なお部屋づくりをしていきましょう。
モンテッソーリ式お部屋づくりの手順
- おもちゃの整理をする
- 「合格」のおもちゃを種類別に陳列
- おもちゃのローテーションを決める
おもちゃの整理をする→適正量にする
まずは、おもちゃを「処分」「保留」そして「合格」の3グループに分けていきます。
処分
基準:子どもが気に入ってない、使えない状態にあるし直す気も起こらない、対象年齢が低すぎる
ここは”断捨離力”が左右するところです。
思い切って処分してもおそらくお子様の将来に影響を与えるようなものはそもそも悩みません。
子どもには「ないなりに工夫する力」というのもあることを念頭に取り組みましょう。
保留
基準:対象年齢が高いもの、たまに夢中になっているが飽きているもの、手つかずの新しいおもちゃ
まだうまく遊べないおもちゃや処分する判断がつかないものがここに来ると思います。
ご自宅の収納事情を考慮しつつ優先順位で決めていきましょう。
注意点は、子どもの目の届かないところに収納するということです。
合格
基準:いま子どもが夢中になっているもの、成長に合っていて親として取り組んでほしいもの
これらが「スタメン」となります。多すぎてもいけません。年齢にもよりますが20種は多すぎです。
10~15種程度にとどめて、残りは「控え」として「保留グループ」に入れます。5種など少ない分には問題ありません。
例えばお子様がプラレールしか取り組まないということであれば、プラレールと成長に合った数冊の絵本と知育玩具くらいでかまいません。
「合格」のおもちゃを種類別に陳列
子どもが手に取りやすい大きさのかごにおもちゃを入れ、棚に陳列します。
引き出しのあるものは、直観的に動く子どもにはあまり向きません。
そして1アクションで出し入れができるのも、片づけのしやすさにつながります。
おもちゃのローテーションを決める
「スタメン」を陳列してしばらく様子を見ましょう。
全く手をつけないおもちゃはスタメンから外して、「控え」のおもちゃと入れ替えます。
溜まった通信教材などは一週間など期間を決めて陳列し、親の側からの働きかけで取り組ませ、どんどん入れ替えて消化します。
溜まっているということは成長に対して易しいものもあるかもしれません。
そういうものは飛ばしてスピーディにこなしていきましょう。
ラベリングについて
モンテッソーリ園などでは、絵や記号でかわいらしくラベリングしているのを見かけます。
しかし成長に合わせたお部屋づくりでは特定のおもちゃが定位置になることは少ないので、かごへのラベリングはしなくても結構です。
おもちゃのかごについて
かごはシンプルで子どもが扱いやすいものが良く、蓋もいりません。
フタなしのかごであれば何が入っているかが見てすぐわかりますし、ローテーションするのも億劫でなくなります。
フタがないとホコリが気になる……という方にお勧めなのは昔ながらの「はたき」です。
家庭ではあまり使われなくなっている「はたき」ですが、「ホコリが積もる前にさっと払う」ことができるが「はたき」です。
毎朝の自分のお仕事として「はたき」のお掃除を習慣にしても良いでしょう。
2歳くらいでも、はたくだけなので簡単です。最近は種類も豊富でおしゃれな「はたき」もあるので、ぜひ活用してみてください。
モンテッソーリ式お部屋づくりの結果は?
私はかつておもちゃ置き場にほぼすべてのおもちゃを「収納」していました。
その結果おもちゃ置き場はこんな状態に……。
そして今回の断捨離とお部屋づくりでおもちゃ置き場はこうなりました。
目から鱗だったのは、
おもちゃ置き場とおもちゃの収納スペースは別にする
という視点でした!
子どもの目に入る量を絞ったことで、一人遊びが充実しているようです。
そしてお片付けもするようになりました。おもちゃ置き場にモノが溢れている状況は子どもにとっても大変なストレスだったことがわかりました。
お部屋づくりのために親ができることは?
モンテッソーリ園に限らず、どの幼稚園も保育園も、すべてのおもちゃを出しているところはないんですよね。
先生がいろいろテーマを考えながら遊びの材料や道具を小出しにしています。だから子どもたちは落ち着いて取り組めます。
家庭も同じでした!
子どもの豊かな時間のために無駄な情報はシャットアウトする!
ちなみに我が家はお部屋づくりのスケジュールをあらかじめ子どもに伝え、目の前で取り組みました。
ゴミ袋に入っていくおもちゃを見て「あ、これは!」と拾ったものもあれば、拾わないで黙認するものもありました。
こちらが聞くと「全部いる!」となるのに、最後は自分で断捨離できていたのです。
親の側に「自立を少しサポートする力」があれば、子どもは「できる」のだと改めて感じました。