子どもの幼稚園や小学校選びで気になるのがお昼ごはんの問題ではないでしょうか?
我が子には、安心安全で、かつおいしくて幸せなランチタイムを過ごしてほしいと願う一方で、
「給食はおいしいのかしら」
「お弁当だと朝の支度に追われそう」
「キャラ弁を作らないといけないのかしら」
などとお悩みかもしれません。
実際のところはどうなのでしょうか?
そして我が子に合ったスタイルとは?
給食とお弁当のそれぞれのメリットやデメリット、給食の最新事情などに迫っていきます。
目次
給食派とお弁当派のそれぞれの意見
ベネッセ教育情報サイトに、最近の給食事情について以下のデータが掲載されています。
園児から高校生のお子さんを持つ保護者の方2617名に、お子さんが給食とお弁当どちらが好きだと思うかというアンケートを取ると、
給食派が46.5%
お弁当派が53.5%
と、ややお弁当派が優勢ながらも、ほぼ半数ずつという結果が出ました。
ちなみに、保護者の方は給食とお弁当のどちらを望むかというアンケートには、90%の保護者の方が「給食を希望する」と回答しています。
給食とお弁当、それぞれのメリットとデメリット
給食とお弁当のそれぞれのメリットとデメリットについて、立教大学で教育学の教授をされている太田和敬先生の掲示板には、次のように書かれています。
給食のメリット
給食のメリットは、栄養士が栄養バランスを考えて作成したメニューであることが挙げられます。
最近は孤食(ひとりで食べる)・欠食(ごはんを抜く)などが子どもの食生活の中でも問題となっているので、一食でもバランスの取れた食事を摂れることは子どもにとって何よりのメリットです。
他にも、温かいものを温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べることができることも給食のメリットになります。
給食のデメリット
原材料への信頼
自治体によっては産地を明記したり、マメな放射性物質検査などを行っているところもありますが、原材料の調達方法や安全性について気になる方にとっては気が気ではないかもしれません。
シュタイナー教育を意識している親も、一般的な給食には懐疑的なようです。
被害がひろがりやすい食中毒
稀に集団食中毒が起こることもあります。
文部科学省の統計では、年間1~6件の給食の集団食中毒が起こっています。
被害が大きくなりやすく、場合によっては1000人以上の有症者を出しているケースもあります。
原因は調理場以外にも食品加工段階のものもあります。ここ数年多いのは「ノロウイルス」で、少数ながら「ヒスタミン中毒」「カンピロバクター」などもあります。
給食費未納による問題
給食費未納問題がいじめ発生に繋がってしまうこともあります。
おいしくない、少ない、多すぎる
自治体や給食センターによってはこのような悪評があるところもあります。
おいしくない食事や多すぎる食事を毎回全部食べなさいというのも酷な話です。好きだったものを食べられなくなったりすることもあるようです。
入学決定前に試食できるところはほぼないと思うので、ママ友ネットワークで情報収集しましょう。
続いて、お弁当のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
お弁当のメリット
お弁当のメリットは先に挙げたような給食費未納のトラブルが起こる心配はありません。
また、子どもの好みや体調に合わせたメニューを各家庭で調整ができるのもお弁当のメリットとなります。
風邪をひいて食欲が落ちているから今日はいつもより小さめのお弁当箱にする、口内炎ができているので刺激の少ないおかずにする、などの調節を行うこともできます。
そして、お弁当を介した親子のコミュニケーションも大きなメリットです。幼稚園から高校までの15年間お弁当を作ることになることもあります。反抗期の子どもにお弁当で愛情を注ぎ続けることもできます。
お弁当のデメリット
海外を見渡せば「お弁当はチーズを挟んだパンだけ」というようなところもありますが、そのかわり夕飯は家族と一緒に時間をかけてたくさん食べるという文化があってのことです。
仮にお弁当の内容はいまいちでもそういった配慮がなされているのなら問題ないのですが、家庭の事情などで栄養バランスを考慮することができない場合には、栄養バランスの摂れた食事を子どもが摂る機会を失ってしまうことになってしまいます。
また、お弁当作りが親のストレスとなってしまうこともデメリットとして挙げられます。
「キャラ弁」ブームはだいぶ収まったようですが、一時的に流行ってしまう例もまだあります。
キャラ弁までいかなくても、おいしそうに見える工夫、食べやすくする工夫、おかずが混ざらないように詰める工夫など、慣れるまではいろいろ工夫しながら試行錯誤の毎日です。
学校給食の課題や問題点
現在、小学校ではほぼ100%が給食というデータが出ています。
そのうち半数が学校に付属する施設で作られていて、その他は地域の給食センターからの配送という形になっています。
その中で、給食の課題や問題点はどのようなものが挙げられるのでしょうか?
学校給食の課題は、『公益財団法人 味の素食の文化センター』に対して、「せっかく栄養士の方が栄養バランスを考えて作成したメニューの内容が子どもたちまで届いていない」ということが指摘されています。
食育の観点から、なぜこの組み合わせのメニューが出てきたのかということまで子どもたちが考える機会があると、家庭科の授業の中で履修した内容をそこだけで終わらず実践例として活かしていくことができると考えています。
文部科学省も同様に、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるように、学校給食が食育の生きた教材となっていくことを期待しています。
給食の問題点は、大津市の資料によると、教師は子どもたちと給食を食べることになり、準備から片付けまでの一連の指導や異物混入の防止への配慮などが必要で、教師の負担が大きいこと、また配膳や片付けに時間がかかるので、食事の時間は15分程度と慌ただしく食事を摂っているのが現状です。
充分に食事時間が確保できないことは、食育の観点からも問題となり改善にあたる必要があるのではないかとされています。
子どもたちのお昼を考えた時のこれからの選択肢
これまで調べてきて給食とお弁当、どちらにもそれぞれメリットとデメリットがあることが分かりました。
では、これらを踏まえて子どもたちのお昼はどうあるべきなのでしょうか?
前述の太田和敬先生は、「これから求められるのはお弁当と給食のどちらかから選択できる柔軟なシステムではないか」と提言しています。
実際、最近はこういった希望選択制の給食のところも増えてきています。
摂津市の中学校給食は、利用したいときだけ給食を利用することができる形になっています。
事前にメニューを見ることができるので、子どもがどうしても食べられないメニューの時はお弁当にしたり、逆に子どもの好き嫌いの改善に役立ちそうなメニューの時は給食にするなど様々な活用方法があります。
まとめ
給食とお弁当、どちらがいいのかについてまとめてきました。
どちらにもメリット・デメリットがあり、私立では選択制の学校も増えてきました。給食という形ではなく、カフェテリアを設置している学校もあります。
どんなランチが家族の望むスタイルや家庭の方針に合っているのか、家族で話し合って、ぜひ学校選びに活かしてくださいね。