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「ヘリコプターペアレント」子供の自立を妨げる親の特徴とは?

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ヘリコプターペアレント
ヘリコプターペアレンツ

という言葉を聞いたことがありますか?

「ヘリコプターペアレント」は片親、「ヘリコプターペアレンツ」とは両親を指します。
どちらも学校や園などに対し、自己中心的な考え方からクレームをたびたび入れてくる保護者などのことを指す「モンスターペアレンツ」の一種とされています。

ここでは「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」とはどのような親なのか、そんな親が子どもにどんな影響を与えるのかをご紹介します。

モンスターペアレント・モンスターペアレンツとは

ヘリコプターペアレント・ヘリコプターペアレンツとは?

子供が1~2歳の時は本当に目が離せません。
ニコニコとどんどん歩いて行ってしまう小さい子の後を追いかけて危険から回避する、というのは誰しも経験します。
まだ何もわからない我が子を危険から守るためには大事なことです。

しかし3歳、4歳、5歳と乳児から幼児になると、親の手を借りずに自分でやりたい・やれるようになることが増えます。
また、社会性が芽生え始めるので幼稚園のお友達や先生といった周囲の人と関わりを持ちたがるようになってきます。

まだ人とうまく付き合うことができず喧嘩や衝突を繰り返しますが、このプロセスは子供が社会性を身につけるためにはとても大切です。
大人が闇雲に衝突を避けさせるというのは、かえって子供の健全な発達を妨げることになりかねません。

ところが「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」というのは、子供がかわいい・子供が大切なあまりに、必要以上に手出しをします。

子供の頭上をヘリコプターのように旋回しているかのような監視ぶりで、子供の健全な発達に影響を与えるほど子供につきまとう。
そんな過保護・過干渉な親のことを表した言葉が、「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」です。

ヘリコプターのように

また、一人の人格として尊重できないことから子どものことを「自分の所有物」のように感じられていくこともあります。
ヘリコプターを通り越して背後霊のように子どもの人生につきまとって子どもをダメにしてしまうことすらあるのです。

それだけ子どもへの影響はとても大きいことから、アメリカではこの「ヘリコプターペアレンツ」という言葉が頻繁に使われているそうです。

ヘリコプターペアレント、すなわち両親のどちらかだけが過保護・過干渉の場合、夫婦間で「育児方針の違い」が衝突の原因となって、過保護でない方の親が育児に関わらなくなったり、場合によっては離婚という結果になることもあります。

ヘリコプターペアレント・ヘリコプターペアレンツの特徴

「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」は親の過干渉や過保護といった状態で、それにより周囲の人たちを困惑させたり、迷惑をかけたりします。
しかし一番の影響は、子どもの自立を妨げてしまうことです。

具体的には次のような事例が挙げられます。

  • 子供が頼ってくる前に助けてしまう
  • 少しでも危ないと思われることはやらせない
  • 子どもは自分の一部だと思っている

子供が頼ってくる前に助けてしまう

「ヘリコプターペアレント」は失敗して子どもががっかりしたらかわいそうだからと、先回りしてその失敗を回避させられるようにしてしまいます。

「一緒についていくよ」
「やってあげる」
「こうすればうまくいくよ」

こういったことも度を過ぎると過剰な手助けとなります。
「失敗は成功のもと」と言うように、人は失敗を繰り返しながら成功へと近付いていきます。
子供は特に「失敗する権利」を持っています。

そういったプロセスがあるからこそ、成功した時の達成感がより輝くのです。
失敗を回避させてばかりいると、この達成感を味わう経験を妨げることになっていきます。
失敗すること自体を恐れるようにもなります。

少しでも危ないと思われることはやらせない

「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」は、

  • 高いところや木に登ること
  • 雲梯やジャングルジムで遊ぶこと
  • 硬いボールで遊ぶこと
  • ハサミやカッターなどの使用
  • 年齢相応な料理の手伝い

など、少しでも危ないと思われることはできるだけ子どもにはやらせないようにします。
仮にやらせるにしても、必要以上に手を出したり口を出したりします。
「ちょっとくらい失敗しても自由にやらせてみよう」と大らかに構えることができません。

子供が何をするにも心配

年齢に合わない遊びは気を付けておく必要がありますが、特に外遊びではどんなことにも危険は付きものです。
しかし子どもは危ない思いをすることで、危険に対する予知能力や対処法を習得するのです。

子どもは自分の一部だと思っている

「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」は、子供を所有物のように感じていくことがあります。

自分から生まれてきた我が子は自分の一部みたいなものと感じたり、責任感が誤った方向にいくことでも「所有物」という感覚が生まれます。
愛情のかけ方に偏りがあるのです。

「ヘリコプターペアレント」の「子どもは自分の所有物」という感覚が強くなると、子供が大きくなってきて秘密を持ち始める時期になっても、何もかも知っておかないと気が済みません。

子どもが友達同士で出かける年齢になれば一緒に行く友達のことや行き先を詳細に説明させたり、子どもが持っているスマホやPCなどの連絡のやり取りや履歴をチェックしたりと、いわゆる過干渉になっていきます。

子供のスマホをチェックする

重症な場合、子どもの後を尾行してしまったりします。

そんな「ヘリコプターペアレント」は「子どものことが心配でたまらないから」と言います。
しかし、そのような過干渉を続けると子どもとの信頼関係が少しずつ壊れていってしまいます。それは子どもの結婚生活や孫の代にまで悪影響を出すことになります。

「子どもは自分とは別の人間なのだ」と自覚し、子どもには子どもの世界があることを理解して見守る姿勢も大切です。

ヘリコプターペアレンツには、次のような事例・特徴があります。

  • 特別な事情もないのに毎日学校の送迎を行う
  • 子どもの友達関係に口を出したり、付き合っていい友達を選んだりする
  • 子どものことを一番分かっているのは自分、だから何がベストな選択かを分かっているのも自分だと思い込んでいる
  • 子どもは親の言うことを聞いていれば大丈夫だと信じている
  • 子どもは自分がいなければ何もできない、生きていけないと感じている
  • 子どもを立派に育てあげないと自分は認めてもらえないと思っている

ヘリコプターペアレント・ヘリコプターペアレンツになりやすいタイプ

もしかして私も「ヘリコプターペアレント」かも……と感じたかもしれません。

「ヘリコプターペアレント」になりやすいと言われているのは

  • 完璧主義者
  • 心配性でネガティブに考える傾向がある
  • まじめで几帳面
  • 自分も同じような過保護・過干渉を受けてきた
  • 放任され、寂しい思いをして育った
  • 子どもの時に不運な事故や事件に遭遇した

といった性格や経験の持ち主です。

このような性格が前面に出ると、「こうでなきゃいけない」「こうあるべき」という強い信念や強迫観念のようなものから離れられません。
そして自分で自分を追い詰めたり、いつの間にかパートナーや子どもを追い詰めてしまったりといった結果に繋がります。

ま親自身が幼少期に味わった体験などが原因になっていることもあり、自分では気付かないうちにPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの問題を抱えている場合も考えられます。

育児とPTSD

思い当たることや不安な点があれば、子育ての相談を行っている施設や心療内科・カウンセリング等を利用し、自分自身を癒す手段を考えることも大切です。

子どもへの影響

こういった親の考え方で子供を縛り続けると、以下のような影響が出ることがあります。

  • 自分を信頼して自立することができなくなる
  • 人間関係をうまく構築できなくなる
  • 失敗するのが怖くて何もできなくなる
  • なんでも親の意見がないと動けなくなる

偏った愛情が、引きこもり、ニート、マザコンなどと呼ばれてしまう子にしてしまうかもしれないのです。

もともと自立心の旺盛な子ならば、早く親元を離れて自由になろうと家を出ていく形で自分を取り戻せる子もいるかもしれません。

しかし多くの小さな子どもにとって親は「絶対」であり「世界のすべて」です。親の偏った愛情で子供の人生を奪うような結果は避けたいですね。

子離れできない親

親が子どもを束縛し監視をして「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレンツ」になってしまう背景には、親自身が子どもの存在に依存していることもあります。

子供に依存しているとはどういうことでしょうか?

小さな子供にとって親は「世界のすべて」ですが、その逆で「この子が私の人生のすべて」「世界のすべて」になってしまっている状態です。
子供が少しずつ親離れをしていくことがつらくてたまらず、故意または無意識に自立を邪魔するのです。

親が子どもに依存することによって子どもの自立心も潰され、結局子どもも親離れがうまくいかずに依存し続けるという悪循環にもなりかねません。

親離れ・子離れ

この場合も、子供が摂食障害になったり社会不適応を起こしたりとあらゆる問題が生じます。

子供の親離れをスムーズに進められるようにするためには、まず親自身が少しずつ子離れの準備を始めることが大切です。

1人で考えるのがつらい場合は、やはり相談機関や医療機関を利用して少しずつ心の整理をつけていけるようにしましょう。

預かりもの

我が子がかわいくて仕方ない一方で、様々な心配事や事件が次から次へと起こります。
まじめな人ほど責任感も強く、子供が心配で仕方ないと思います。

しかし親には親の人生があるように、子どもにも子どもの人生があるのです。

よく子どもを「授かりもの」と表現することがありますが、
「所有物」という勘違いを避けるためにも「預かりもの」と表現してもよいかもしれません。

食事や安心して暮らせる環境を提供し、
生きるための体験をさせ、失敗を受け入れ、
そして自信を持って巣立っていく子どもを笑顔で送り出す。

そういうイメージでいれば、「所有物」と思ったり、「自分から離れていくのをなんとしても食い止めよう」という意識は持ちにくいのではないでしょうか?

最後に

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉があります。
愛する我が子にはあえて試練を与えて、自立できる力を身につけさせる深い知恵や道理を持ちましょうという意味です。

しかし、そのような「知恵や道理」をはじめから心得て子育てしている人は少数でしょう。
子供の成長とともに常に親も学び、自分を磨いていきたいですね。

可愛い子には旅をさせよ

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