「まだ小さな我が子をなるべく良い環境に身をおきたい……」
と願う親が考えることの一つに、小学校受験があると思います。
小学校受験を意識し始めた時に、気になるのは
- いつ頃から小学校受験の対策をスタートしていけばいいのか
- 小学校受験の対策とはどのようなことを行っていけばよいのか
ということですよね。
小学校受験に必要な対策とは?
- 教室選び
- 志望校選び
- 試験対策
教室選び
幼児教室はHPよりママ友の生の情報が大切です。
同級生のママでも、兄姉が受験を経験していれば多くの情報を持っています。
そういった情報を参考にしながら、実際に体験授業を受けにいきましょう。
教室の評判や合格実績も大切ですが、何より大切なのは子供と講師の相性ともいえます。
「通うとしたら火曜だけど、土曜の体験に行って決める」
ということだと、実際に通う際に講師が違うこともあります。
また、平日と土日では教室の雰囲気も違うことが多く、同じ先生でも「対応の仕方」に違いがあることもあります。
それらも踏まえたうえで、教室選びには、
- 講師が自分の子と合うか
- 講師がきちんと自分の子をわかった上で導いてくれそうか
ということが重要です。
志望校選び
幼稚園児、保育園児の年頃というのはたくさん遊びたい時期ですし、それが健全な発達にとっても大切な時期です。
非認知能力を育むうえでも遊びやお友達との関わりはとても大切です。
闇雲に幼児教室に通わせるよりも、照準を絞って対策していくほうが親子の負担が小さくて済みますよね。
志望校によって、対策は大きく変わってきます。
幼児教室探しと並んで、気になっている学校の説明会への参加などは積極的に行いましょう。
幼児教室もできるだけ多くの小学校を受験させるためにまんべんなく学ばせる教室と、志望校の対策に絞った指導をしてくれる幼児教室などあります。
志望校が漠然としている間は前者が良いですが、年長になって大変な自宅学習量を求められることもあります。
- 名門校をいくつも受験するのか
- 志望校を絞って狙いを定めるのか
こういったことも家族でよく話し合って決めていきましょう。
子どもやライフスタイルに合うか?
私立小学校には特色があります。
- 自由でのびのび系
- おっとり系
- 勉強しっかり系
といった比較のほか
- 共学か否か
- 宗教系か非宗教系か
- 中学受験主流か内部進学中心か
- 伝統的か新進的か
- 学童保育を学内に持っている、持っていない
- 制服の有無
- 給食の有無
- 卒業生の進路
さまざまな比較ができます。
こういったHPや説明会でもわかるものの他に
- アクティブラーニングの取り入れ具合
- いじめなどトラブルへの対応の仕方
- 中学受験への理解度
- 在校生の雰囲気
など、資料だけではわからないところを知るにはママ友ネットワークが生きてきますし、実際に見に行くことが欠かせません。
ネット上の匿名の投稿なども参考になるところはありますがなるべく信頼できる情報を仕入れつつ、自分の目で確かめていきましょう。
家庭の方針
「どんなことに気を付けて育児しているか」
「どんな子に育ってほしいか」
という家庭の方針も志望校選びには大切になってきます。
また、小学校受験には、忙しい合間にも家族とよく話し、団結して臨む必要があります。
片親だけが暴走するような状況だと、子供や他の家族にも負担が大きいですし、受験自体もあまり良い結果にならないことが多いようです。
幼児教室の持つ情報
幼児教室の講師も多くの子どもたちを見ていますし、たくさん情報を持っています。
講師の意見も参考にしながら、実際に足を運んで考えていきましょう。
試験対策
次に対策です。小学校受験の内容としてよくあるものは、
- ペーパーで問題が出される筆記テスト
- 運動テスト
- 巧緻性のテスト
- 行動観察
- 面談
- 絵画や制作
などです。
志望校に必要な対策をどのように習得していくかの計画が必要です。
分野ごとに任せる先生を見つけたり、夫婦で協力して習得させていきます。
大学受験などでも「傾向と対策」と言われるように、相手(志望校)をよく知り、相手の求める生徒像から逆算していくことが小学校受験でも重要です。
それがあまりにも我が子に合わないスタイルだった場合は、志望校の見直しをしたほが良いケースもあります。
見られているもの① 指示行動
筆記テストといっても難しい問題が出題されるわけではなく、年長児として基本的な能力があるかどうかを問われることが多いので、それほど構える必要はないと言われています。
それよりも運動テストや行動観察などでは、
- 先生の指示をきちんと聞いて理解することができるか
- 著しく場を乱すような問題行動がないか
などが注目されるので、受験会場の雰囲気に飲まれずに落ち着いて話をしっかり聞いて、言われたことをスムーズに行うことが出来るように準備をする必要があります。
見られているもの② 自分の意見
行動観察ではお友達と協力してゲームをすることを求められたりしますが、この時にただ黙って周りの子に合わせる子と、自分の意見も周りに伝えながら協働できる子とでは、後者のほうが有利になることが圧倒的に多いでしょう。
また、面接には親子一緒に行う学校と子どものみで行う学校とがありますが、いずれにしても子どもが発言をする機会があるので、聞かれたことを的確に答えられるかどうか、自分の考えを伝えられるかどうかが重要となります。
こちらの準備もしておく必要がありますが、実はこれらは家庭や普段の遊び・生活のなかで培う力で、幼児教室に一任できない能力と言えます。
幼児教室とは?
- 小学校受験に幼児教室は必要か?
- 幼児教室では何を教えてくれるのか?
小学校受験に幼児教室は必要か?
小学校受験の内容は前の項目でまとめたようなものになります。
市販でも小学校受験対策の本はありますし、自宅でもそれらに沿って受験対策を進めていくことはできます。
実際に、幼児教室などの小学校受験向けの習い事をせずに、家庭学習などで準備を進めて合格する例もあります。
「受けてみてだめなら公立でいいか」というスタンスならばそれでも良いですが、もし真剣に合格を狙うのであれば幼児教室は不可欠です。
なぜかというと、
- 充分な最新の受験情報や学校情報を得られない
- 絵画制作や指示行動の準備を家庭で行うのには限界がある
- 行動観察はグループで取り組むことが多く家庭では練習できない
といった理由があります。
逆に幼児教室だけでは身につかないこともあります。
家庭でやるべきことと、教室で身につけることはそれぞれにあり、小学校受験にはどちらも必要なのです。
幼児教室では何を教えてくれるのか?
幼児教室では、最新の入試傾向を総合的に踏まえたプログラムを中心に、それぞれの志望校の特色を取り入れながら合格へと向けて指導をしていきます。
- ペーパーテストの指導
- 絵画制作の指導
- 面接の対策
- 行動観察対策
- 生活習慣の習得
面接対策は、お友達の前で質問に答えたり、講師と1対1で本番さながらに会話する時間を設けるなど、自分の言葉で自分自身を伝えていける練習をしていきます。
生活習慣は家庭でやるものと思われるかもしれませんが、小学校受験で求められる生活習慣の習得度と一般的に期待される生活習慣とは必ずしも一致しません。
志望校によっても「雑巾の扱い」が必須のところがあったり、さまざまです。
そういった情報を持っているのが幼児教室で、志望校に即した指導を行っていきます。
小学校受験では大変重要視される「願書の指導」を行っている教室もあります。
願書が重要視される小学校を志望するとなると、寝ずに書いてもまたダメ出しをされて書き直し…と願書提出前には寝不足になります。
しかしこの指導があるかないかで合否は大きく変わってきます。
また、模擬テストや夏期講習、直前講習などを行っている幼児教室もあり、普段から幼児教室に通っていなくてもこちらの短期指導だけの参加を受け付けてくれるところもあります。
普段は自宅で準備を進めて計画的にこういった指導を取り入れていくのも対策の1つとも言えます。
なかには、その子がどの学校に行くとのびのび過ごせそうかという観点から志望校選びのアドバイスをする講師もいます。
誰もが認める有名校に行ってくれた方が教室は嬉しいはずですが、それ以上にその子の性格などに合うかどうかを経験から考えてくれる講師は信頼できますし、ありがたい存在です。
小学校受験の準備のスタートに適した時期は?
では、いつから小学校受験の準備に取り掛かるのがいいのでしょうか?
- 年少
- 年中・年長
年少
全ての準備を年少から取り掛かるのではなく、少しずつ準備を進めていくことになります。
「週に一度は教室でお勉強するものなのだ」
「先生のお話を聞くのだ」
といった習慣形成をするには良い時期です。
4~5歳にもなると自我がいよいよ強くなり、親の言うことを素直に聞かないようにもなってきます。
そうなる前にある程度習慣づけてしまおうというのが年少クラスの狙いです。
同時に小学校見学などを重ねて、どこの小学校を受験するのかを少しずつ考えていきます。
運動会や学習発表会などの行事を公開で行っている学校もあるので、可能な限りこういった行事も参加するようにしていきましょう。
学校の雰囲気をより具体的に掴むことができます。
また、月に1~2回でも、絵画や工作に取り組む時間を持つことを推奨する専門家もいます。
これは、子どもの絵は個性が出てとても魅力的なのですが、小学校受験では先生の指示に従って時間内に絵画や制作物を完成させる必要があります。
求められたテーマに沿った描画や制作を少しずつ練習するのには時間をかけたほうが良いようです。
道具の使い方、身近にある材料を使った表現などは、練習する中で引き出しが増えていきます。
教室で学んだことを自宅でも応用してみたりすると効率よく定着します。
子供らしさを奪うのでは? という心配をするかもしれません。
しかし、子供にとっても「描きたいもの・作りたいものを具現化できる」というのが楽しみにつながることもあります。
小学校受験ではご縁をいただけなかったものの、教室での工作の経験から工作が好きになり、公立の小学校に進んでも大作を作り続けている子もいます。
きっかけは小学校受験の対策でも、幼児教室で好きなことに出会えれば、「好き」を伸ばせる環境という捉え方もできますね。
年中・年長
行動観察やペーパーテストの準備は年中頃から始めていきます。
これらは余り早い時期から進めても発達が未熟だったり言葉の意味を理解出来ないことがあります。
焦らずに待って、理解力がついてきてから取り組むようにしていきましょう。
年長(新年長は11月スタートの教室が多いです)の最後の1年間は志望校合格へと向けて一直線に進んでいく時期です。
志望校も年長の春には決められるとしっかり対策することができるので、年少に引き続き年中の頃にも学校説明会や見学などに参加してスムーズに志望校を絞れるように準備します。
幼児教室などで行っている模擬テストを利用すると、本番同様の経験を積むことができ、受験当日も慌てずに取り組めます。
また、教室は「複数校の受験」を勧める例が多いです。
受験料だけでも10万円を超えてくるなど親の負担は大きいですが、まだ5~6歳の子どもは受験日当日にいつも通りのことができるとは限りません。
受験は秋に行われますが、インフルエンザや胃腸炎が流行りだす時期でもあります。
「第一志望校のみチャレンジして、ダメなら公立へ」と明確な指針がある場合は別として、子供にご縁のあった私学を選ぶ権利を持つには、受験して合格する以外にありません。
悔いのないように受験校の選定もしていきましょう。
まとめ
小学校受験の内容などを踏まえて準備のスタートに適した時期についてまとめてきました。
幼児教室に通うのか、家庭で準備を進めるのかによって異なってきますが、事前にできることはなるべく早い段階から取り組んでいくのがいいでしょう。
小学校見学を年少の頃から行い、志望校を決め、行われる受験の内容を把握しておくと今後の流れがスムーズになります。
志望校の受験の内容に沿って必要な準備に取り掛かるようにしていきましょう。
小学校受験をするか迷っているうちは、普段は家庭で準備を進めていき、模擬テストなどの短期指導のみ幼児教室を活用するのもよいかもしれません。
家庭の方針に沿った小学校受験の準備をしていきましょう。