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「大人の発達障害」夫婦間のコミュニケーションにつまづいたら・・・

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結婚して、子供も授かり幸せ・・・のはずが、夫婦間や家族間でのコミュニケーションが難しく悩んでいる方もいると思います。

「どうも会話がかみ合わない」
「自分の気持ちをわかってもらえない」
「パートナーが突然高価なものを買ってきて困る」
「話がかみ合わないので子供がパートナーを嫌っている」

このように夫婦間・家族間の円滑なコミュニケーションを難しくしている原因のひとつとして、大人の発達障害があることをご存知ですか?

発達障害 大人 夫婦

発達障害とは?

最近よく耳にするようになった「アスペルガー」や「ADHD」といった発達障害。
有名人や歴史的な人物にも多いことから注目されています。

Apple社の設立者スティーブ・ジョブズさんやマイクロソフトの開発者ビル・ゲイツさん、物理学者のアインシュタインも発達障害だったと言われています。
芸能人で言えば、歌手のスーザン・ボイルさんや、モデルの栗原類さんは自ら発達障害だと告白しています。
ハリウッドスターのトムクルーズさん、芸能人のミッツ・マングローブさんも学習障害を持っています。

発達障害 子供 大人

発達障害は、近年少しずつ解明されてきた障害であり、現在大人になっている人たちが子供の頃には、まだあまり知られていない障害でした。

日本では1970年代にようやく認識され行政の対応が始まりました。
そのため、発達障害の症状が出ていても誰からも指摘されず、診断もされないまま大人になった人が数多くいると言われています。

また、発達障害のなかには知的問題を伴わないものもあり、勉強や特定の分野にずば抜けた才能を発揮するという場合もあるため、周りからも気付かれにくい障害だと言えます。

しかし、そのような“隠れ”発達障害をもった人と結婚し、パートナーとして深く付き合っていくうちに、違和感をおぼえる人も少なくないようです。
では、どのような特徴があれば発達障害が疑わしいのか、また後天的に起こりうる二次障害や発達障害に似た精神障害などについても紹介します。

家族間に問題を引き起こしやすい先天的な障害

  • 自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)
  • 注意欠陥多動障害(ADHD)
  • 発達障害が引き起こす二次障害

自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)

「アスペルガー症候群」や略して「アスペ」などと呼ばれるこの発達障害ですが、近年では「自閉症スペクトラム」という名称で呼ばれるようになっています。
この障害の一番の特徴は、コミュニケーション能力や社会性に問題をきたすことが多いということです。

たとえば、周りの空気が読めずに思ったことをそのまま言葉にしてしまったり、人の表情などを読みながら気持ちを理解したりすることを苦手とします。
そのため、会話をしていてもかみ合わないことが多く、話を聞いてないのかと思ったら、突然自分の話したいことを一方的に話し出したりします。

発達障害 スペクトラム アスペルガー

また、あいまいな表現や人の気持ちを理解しにくいことから、パートナーとしては気持ちのすれ違いを強く感じ、徐々にストレスが溜まってうつ症状などを引き起こすことも少なくないのです。

注意欠陥多動障害(ADHD)

ADHDには3つの中心的な症状があります。

中心症状1 多動性

「多動」と聞けば、「よく動いてしまう病気なのかな?」と思われるかもしれませんが、多動性が目立つのは幼少期だけで、大人になれば多動性はほとんど目立たなくなることが多いです。

中心症状2 不注意

その反面、大人のADHDの特徴としては、注意力不足で小さなミスや同じ失敗を繰り返してしまう、時間にルーズでいつもギリギリに行動してしまう、整理整頓が極端に苦手で片づけられないといった症状があります。

中心症状3 衝動性

衝動性が目立つ場合は、何か思いついたり気になることがあると、行動した結果を考えずに行動してしまいます。
たとえば

  • 大切な会議中に突然違うことを始めてしまう
  • 怒りをコントロールできずに周囲が怯えてしまう
  • 思い付きでの行動や不必要な衝動買いがやめられない

といったことがあり、社会生活や家庭生活に支障をきたすこともあります。

夫婦として生活していく中では、

  • 専業主婦で時間に余裕があるはずなのに家事ができない
  • 夫が仕事をすぐ辞めてしまう
  • 一度怒らせると警察沙汰になる

といったことに悩むことが多いようです。

発達障害が引き起こす二次障害

発達障害は生まれ持った脳の障害です。
そのため、本人の努力次第ではどうにもならない問題を生れながらにして抱えているとも言えます。
だからこそ、社会で生きにくさを感じて、うつ病や不安障害などといった精神疾患を引き起こす確率も一般的な人よりも多いと言われています。

発達障害に似た精神障害

家族間のコミュニケーションに支障をきたすものの中には、以下のようなものもあります。

  • 愛着障害(アタッチメント障害)
  • アダルトチルドレン

愛着障害(アタッチメント障害)

愛着障害は、乳幼児期に母をはじめとする養育者との間に、健全な愛着がなんらかの理由によって十分に育むことができなかった人がかかる、情緒や対人面に問題が起こる精神障害だと言われています。

まだ泣くことでしか伝えられない時から、保護者が虐待やネグレクト、無関心などで適切に子供を養育したり子供に関わらないと、子どもはどのように人と信頼関係を築いていけばいいのかということを学ぶことができません。
安定した愛着を得られません。

発達障害 愛着障害 ネグレクト

5歳頃でもその影響は出てきますが、見過ごされたまま青年期を迎え、自傷行為や非行(万引き・薬物濫用・売春・暴力など)、摂食障害、不登校などの問題が出やすいとされています。

また、親から受けられない愛情を親以外の誰かに求めようとする傾向が出てきます。
このような状況が改善されずに大人になった場合、情緒面や対人関係に問題を抱えてしまうようです。

情緒面では、

  • 他人の言動に過剰に反応して傷つきやすく感情的になりやすい
  • 自尊心が低く、お金やモノなどに依存しやすい
  • ストレスに弱い
  • 自意識過剰で周囲に自分を大きく見せようとする

人間関係の面では、

  • 必要以上に親や他人の評価を気にする
  • パートナーや子供への愛情表現方法がわからない
  • 人とほどよい距離がとれない
  • 小さい子供が苦手
  • 人をなかなか信用できず、人を愛せない

等といった特徴が現れる傾向にあるようです。

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンも、愛着障害と同じように、幼少期の親の愛情不足が原因で引き起こされると言われています。

愛着障害との違いは、愛着障害が乳児期・幼児期の愛情不足が原因で起こるのに対し、アダルトチルドレンは、幼少期から大人になるまでの広い期間での愛着形成が不十分または不適切なことによって引き起こされると言われています。

たとえば

  • 親が子どもに過干渉や期待しすぎる
  • 親が嗜癖障害(アルコール依存症・セックス依存症・ワーカホリックなど)
  • 家族の不仲
  • 貧困
  • 虐待

など機能不全の家庭で育つと引き起こされやすいようです。

発達障害 アダルトチルドレン アルコール依存症

愛着障害を引き起こす環境の中で育った子供の環境が、少年期以降も改善されないことがほとんどであることから、愛着障害からアダルトチルドレンになる可能性は高いと言われています。
具体的な症状の特徴としては、

  • 自己肯定感が低い
  • ネガティブで常に不安を抱えている
  • 自分を犠牲にして人に尽くしてしまう
  • 周囲が期待している自分を演じる
  • 過剰に自己防衛をする
  • 喜怒哀楽など感情表現が苦手で表情に乏しい
  • 心から楽しめない
  • 人が自分から離れていくという感覚を常に持っている
  • 自分を誇示したり、極端な妄想を抱く

といった特徴が見られます。

「アダルトチルドレン」という名称から、子供っぽい大人のことかと勘違いされることが多いですが、本当はその逆で、子供ながらにして自立を強いられたいわゆる「いい子」が抱えやすい心の問題だと言われています。

どこで治療すればいいのか

発達障害や精神的な疾患を抱えていると疑いを持った時は、どちらの場合であっても精神科・心療内科・カウンセリングなどの医療機関を受診することが推奨されます。

ただ、各病院によって得意・不得意な分野があるため、あらかじめこれらの症状を専門的に扱っている所をインターネットで調べたり、電話で確認を取ったりしてから受診することが望ましいです。

発達障害 大人 治療

また、これらの障害を改善するにあたり、各病院のドクターとの相性も大変重要になってくることから、相性のいいドクターを探すことも症状改善の大きなポイントとなっています。

最近は同じ症状を持つ仲間同士でつながる「自助グループ」も各地に増えてきているので、そういったところに顔を出してみるのも症状の改善につながることがあります。

子どもへの影響

発達障害や精神的な問題を親が抱えている場合、子どもへの影響も少なからず考えられます。
障害が直接的に影響を及ぼすというより、障害が引き起こす症状によって、子どもへの接し方に問題が生じたり、夫婦関係が悪く喧嘩が絶えなかったりすることにより、子どもの健全な心の成長に悪影響を及ぼしてしまうことへつながります。

また、発達障害は遺伝的な要因が高いと言われているものもあり、子どもにも発達障害の特徴が出ていないか気を付けて見ていく必要があります。

パートナーができること

発達障害にしても、精神障害にしても、本人がそのことに気付いていないことが原因で改善されないことが多いです。
そのため、もしパートナーにその可能性を感じるのなら、病院を受診することを勧め、何が原因で問題が起こっているのかを知ることが問題修復の第一歩となります。

ただ、本人が受診を拒否する場合も考えられ、その場合は根気強く説得するか、専門書を読んで行動療法を夫婦で模索していくことが望ましいでしょう。
なかには開き直ってますます周囲を困らせる行動をとってしまうこともあるので、事前に専門家に相談してみてもよいでしょう。

家族間のコミュニケーションに支障をきたす障害や問題を乗り越えるためには、パートナーに対する適切な関わり方をお互いに学んでいく必要があり、二人三脚で乗り越えていく覚悟と根気が必要になります。

夫婦で共倒れしないために 

何らかの障害を抱えるパートナーを支えていくということは、並大抵のことではありません。支えきれずに疲れてしまう可能性も大いに考えられます。
夫婦二人で共倒れにならないためにも、一緒にカウンセリングを受けたり、周りからの支援を受けたりすることが大切だと言えます。

具体的に受けられる支援としては、発達障害の場合は、発達障碍者支援センターや療育センターなどで、発達障害全般の悩みの相談や就労などの相談に乗ってもらえます。

精神障害の場合は、市役所の福祉事務所などで相談に乗ってもらえるほか、障害が悪化した場合は精神障碍者保健福祉手帳が交付され、障碍者手当などを受給できる可能性も出てきます。

パートナーと共に障害を乗り越えていくために

発達障害 夫婦 パートナー

発達障害は生まれつきの脳の障害であり、愛着障害やアダルトチルドレンは、幼少期の親の愛情不足から引き起こされる心の問題で、どちらも本人が苦しみながら生きにくさを感じている可能性が高いです。
パートナーとして困難に直面することも多いかもしれませんが、問題を抱えている本人も苦しんでいるということを知ることが大切です。

また、発達障害が原因で精神障害を引き起こしたり、様々な発達障害の特徴を併せ持ったりしていることも少なくなく、複雑に問題を抱え込んでいる可能性も高いです。
しかし、適切な対応をすることで苦手を克服できることも多くあるため、パートナーが支えることで問題を乗り越えていけることも多いです。

冒頭でご紹介した方々のように、特性があるからこそ独特の魅力やまれなる才能を発揮して活躍している人もたくさんいます。

「障害」と重くとらえすぎるのではなく、一つの個性として受け止め、その個性を生かしながら苦手なことをフォローする方法を考えることが、問題解決の糸口につながるのかもしれません。
障害を乗り越えた先は、きっと家族の絆もより深いものになるでしょう。

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