良かれと思って始めた習い事。親は、経費はもちろん送迎や付き添い、練習や宿題の管理など、たくさんの手間をかけながら応援していますよね。
それなのに突然言い出すのです。
「行きたくない」
「もう辞める」
そんな簡単に言わないでー! と、言葉にするかは別として、内心誰もが思うことでしょう。
こんな時どうすればいいのでしょうか?
目次
子どもが習い事を嫌がった場合に確認したいこと
- その習い事を選んだのは誰?
- ゴールはどこですか?
- 現状を把握していますか?
1. その習い事を選んだのは親?子ども?
スタート時子どもが3歳以下なら親が選んでいることが多いのではないでしょうか?
4歳くらいになると自分の意思が出てきて、親が勧めても「イヤだ」と言ったり、テレビや友人に影響を受けたりして「〇〇やりたい」と突然言いだしたりします。
戦いごっこばかりやっている男の子が、急に「バイオリンやりたい」と言い出したケースもあります。
子どもの感性は無限ですが、実際こういったことに直面した時親としてどうすればいいのか悩んでいると思います。
もちろん一時的な気まぐれで「ちょっと思っただけ」かもしれません。
子どもが気まぐれで言っているのかどうか判断するためにも、赤ちゃんの時からどんなことに興味を持つのか、どんなことにこだわるのか、その子をよく観察しておくといいかもしれません。
親が一方的に選んだ場合でも、こどもが自分で選んだ場合でも、親から見て「全くこの子に合わない」という習い事ではないはずです。
最終的に親が許可して始めているのですから
「あなたが自分でやりたいって言ったんでしょう」
などと頭ごなしに言わないようにしたいものです。
2. ゴールはどこ? ~どういうつもりで始めたのか~
習い事を辞めたいという子どもと話し合う前に、思い出してほしいことがあります。
「この習い事をどういうつもりで始めたのか」
これは、目標とも言えますし、目的とも言えます。
習い事を始めた理由としてママたちの本音を聞いてみると、おもしろい理由がいろいろ出てきました。
- 気の強い友達にいつも負けていて、我が子にも強くなってほしくて(空手)
- おばあちゃんがピアノの先生で、無料でみてもらえるから(ピアノ)
- 自宅でのワンオペ育児に疲れていて、とにかく0歳児でも通える場がほしかった(ジム)
- 天才児は3歳までで決まると聞いて(幼児教室)
- 風邪ひかない丈夫な身体になってほしいのと、水の多い国だから(スイミング)
上記のようなモチベーションがあってこそ習い事をスタートするのも事実だと思います。
しかし、「この習い事で達成すべき目的目標」がいつまでも漠然としていると、毎回泣かれたり、「辞めたい」と言われた時に親も弱気になってしまうかもしれません。
できることなら「その習い事でないといけない理由」があった方が、スランプの時に親自身も踏ん張りがきくように思います。
3. 現状を把握しているか
子どもが「辞めたい」と言い出す前からきっと兆候があります。
それに気づかずある日突然言われて驚くよりも、日頃から子どものことをよく観察しコミュニケーションをとっていると、いろいろな対処方法をとることができそうです。
習い事には、次のようなパターンがあります。
- 親が見ている場合
- 母子分離(別室で待機)の場合
- 送迎のみの場合
親が見ている場合
親が見ている習い事は、子どもの様子がよくわかります。
「たまたま不得意な分野になって子どもが辞めたくなってるんだ」
「最近ちょっと友達とうまくいってないみたい」
といったことも親が見ているからこそ、わかることもあります。
くれぐれも「ママ友とのおしゃべりに夢中で子どもの様子を全然観てなかった」ということにならないようにしたいものですね。
母子分離の場合
母子分離の場合は比較的、密に先生からフィードバックを受けられると思います。
スイミングのように、遠くから見守るような形の場合は子どもの表情をよく見ておきましょう。
「中盤で娘の表情が固まってたようですが、何かありましたか?」
「それは次回の検定の内容を伝えた時ですね。〇〇ちゃんには苦手な内容かもしれませんね」
こんな会話をコーチとできれば、しめたものです。
コーチも気をかけてくれますし、子どもにも
「次の検定は何をするの? そうか、難しそうだね。まずはコーチの説明をよく聞こうね」
などと話題にしながら子どもの不安を取り除いていくことも可能です。
送迎のみの場合
全く様子を見られない場合も、教室から出てきた時の雰囲気など見逃さないようにしたいものです。
習い事に向かう時の雰囲気、戻ってきた時の雰囲気もよく観察して、気になることがあれば講師などに問い合わせてみましょう。
そして学校生活も同じですが、あまり「今日は何やったの?ちゃんとできたの?宿題は?」と矢継ぎ早に聞くのでなく、子どもの方から話せるような空気感、少し待つことが好ましいようです。(この件はもっと詳しくお伝えしたい!)
また、教室に相談すれば一度参観させてもらえるかもしれません。
習い事を辞めたいと言われた場合は・・・
さあいよいよ「辞めたい」と言われた時のお話です。
- 辞めたい本当の理由を知るには
子どもと共有すべきもの
目先を変えてみる
1. 辞めたい本当の理由を知るには?
まだ始めて数ヶ月の場合。
子ども自身がしっくりきてないことがあるのかもしれません。
まずは話をよく聞いてみましょう。
「そうか、辞めたいんだね。どんなところがイヤなのかな?」
- 先生がイヤ
- 大きいプールがこわい
- とにかく嫌い
- 教室が寒い
- ユニフォームがダサい
- 乱暴な友達がいる
本音がすぐに聞けると思わずに、まずは全て聞いて受け止めていきます。
「たしかに!」
「ママもちょっとそう思っていたところ!」
と同意できるところは同意して「あなたの味方だ」ということを伝えていくと、安心して言える雰囲気を作ってあげられますね。
親が味方であることをしっかり示すと、子どもは徐々に本音を言い始めたり、「やっぱり行く」とスッキリしてしまったり。
自分のことが客観的に見られないのが「子ども」です。
辞めたい理由は自分でもよくわからなかったりします。
本当のところは、単にママと離れるのが寂しいだけだったり、遊ぶ時間がもう少し欲しいだけだったり、大好きな先生がなかなか構ってくれないので拗ねていたりということもあるようです。
数ヶ月で辞めたいという場合は「内容自体好きになれない」という可能性も否めませんが、慣れてくる一方で単に疲れが溜まっているだけかもしれません。
逆に長く続いているのに辞めたいと言いだすのには、きっと原因があります。
「サッカーを辞めたいと言い出した息子。私はいつも熱心に応援してきました。
でも頑張り屋の息子がそう言うのなら何かあるのだろうと、何も問わずにサッカーを休ませて息子の大好きな電車に乗って海が見える町に行ってきました。
リフレッシュになったのか、帰りの電車で『来週は行く』と言いました」
いずれにしても親の観察力がすべてと言っていいくらい、辞めたい本当の理由を知るには子どもの様子を見ることが大切です。
2. 子どもと共有すべきもの
改めて子どもと共有すべきものがあります。それは、習い事の目的・目標です。
まず習い事を始める前に子どもと目的目標を共有することをおすすめしますが、小さいうちは難しいこともあります。
そこで、子どもが前向きに取り組めていない時ももう一度一緒に考えてみたいものです。
- 強くなるために、前向きな気持ちで3年取り組もう
- バイエルまではおばあちゃんとやろう。それで辞めてもいいし、続けたいと思ったら誰に教わるかも含めて一緒に考えよう
- 3歳までは親が決めたことを貫こう。そこからは一緒に考えよう。
- 背泳ぎ25mまではできるようになろう
(未就学児なら、一年毎くらいの目標設定がわかりやすいかもしれません)
ここで大事なのはふんわりした目的目標ではなく、子どもでもイメージしやすい具体的な目的目標を設定することです。
例えば、目標を持たずに続けることは、ゴールのないマラソンをするようなものです。
走ること自体が好きな人もたまにいますが、たとえおとなでもゴールがあった方が頑張れるものではないでしょうか。
そうやって子どもも目的目標を持ってスタートすれば、「そうだ、そこまではやろう」と責任を持って取り組めるものです。
そしてそれを達成すると、もう少し頑張ってみようと思うかもしれません。
それでも辞めたい!
それなら、拍手を送って辞めさせてやってもいいのではないでしょうか。後日「またやりたい…」と言い出すかもしれませんが。
3. 目先を変えてみる
おとなでもそうですが、マンネリ化が仇になっているのかもしれません。
自分自身が習い事をしているとして、なんだか辞めたいと思った時どうするか? と考えてみるのも「目先を変えてみる」ことです。
目先を変えられることとして、
- 他の曜日に振り返られるなら、別のクラスに出てみる
- 違う先生のレッスンを受けてみる
- 少し休んでみる
- 習い事のお友達とプライベートで遊んでみる
などいろいろな方法があります。
以下は目先を変え、身近な目標を持たせた例です。
「4歳になってバレエを始めた娘。チュチュが着られるのが楽しくて通っていましたが、ストレッチの時間が長いことや、少し難しいことを言われるようになり、楽しく思えなくなったようでした。
『難しくなってきたね。でも先生の言うことができるように練習していくとね…そうだ、次のレッスン(小1〜小2)見学していこうか』と誘うと『見る!』と。
次のレッスンも前半は地味なストレッチです。しかし後半になると少し年上のお姉さんたちが音楽に合わせて蝶のように踊ります。目の前でそれを見た娘はそれから頻繁に見学をするようになり、肝心のレッスンも前向きに取り組むようになりました。」
まとめ
まず大切なのはその習い事をする目的目標です。
そして、子どもが習い事を辞めたいと言い出した時に慌てないためにも、日頃からよく観察して我が子の状態を把握しているとよいと思います。
それが難しくても頭ごなしに何か言うことはせずに、対策を考えていきましょう!